いきなり見積りを取りにいくと、話がかみ合わないことがあります。前提が共有されていないと、出てくる金額も期間も比較できないためです。
最初の商談で実際に伺っていることを8つにまとめました。全部が決まっている必要はありません。
実際に伺った話
紙とExcelとFAXに分かれていて、同じ数字を何度も打ち直している
- 受注・請求・出荷・原料の管理が、それぞれ別の手段で動いていた
- Excel同士がつながっておらず、手入力の間違いが起きていた
- 意思決定は経営層のお二人。担当者が下調べを進めていた
- 「まず受注から」と範囲を絞ったことで、話が具体的になった
この方が最初から全部を決めていたわけではありません。01と02が言えた時点で、話は前に進みました。
- 01いちばん困っている業務受発注・在庫・原価・出荷・帳票のどれか
- 02いま何で回しているか紙・FAX・Excel・既存システム。多くは組み合わせ
- 03誰が使うか本社/工場/取引先。画面も操作も変わる
- 04既存システムを残すか残すなら連携で解決できる場合がある
- 05いつまでに必要かその日までに何が動いていればよいか
- 06予算の考え方まとめてか、月々の枠か
- 07データを誰が持つか自社で取り出せるか。数年後に効く
- 08作ったあと誰が運用するか決めずに進めるとリリース直後に止まる
とくに見落とされやすい3つ
後から効いてくるのは 04・07・08 です。決めていない場合と決めておいた場合で、その後が変わります。
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04 既存システムを残すか
- 未定だと
- 見積りの範囲が定まらず、金額を比較できない
- 決めておくと
- 残すものは連携で解決でき、作る範囲が絞れる
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07 データを誰が持つか
- 未定だと
- 数年後、分析したい形でデータを取り出せない
- 決めておくと
- 粒度と出力形式を要件に含められる
-
08 誰が運用するか
- 未定だと
- リリース直後に問い合わせ先がなく止まる
- 決めておくと
- 保守の範囲を契約に含めて見積れる
04を決めるとき、実際に何を見るか
「既存システムを残すか」は、好みで決める話ではありません。変えたくない理由があるものは、たいてい残したほうが安く早く済みます。
その既存システム、変えると誰が困りますか?
- 他部門・税理士など外が困る 残して、連携する 会計や給与は典型例です。データを渡す口だけ作れば、業務は変わりません。
- その業務の中だけで完結する 作り替えの対象にできる 影響が閉じているので、ひとつずつ移していけます。
見積りを比べるときの見どころ
同じ条件を伝えても、金額と期間は各社で変わります。差がどこから来ているのかを見ると、比較になります。
| 見えにくい見積り | 比較できる見積り | |
|---|---|---|
| 範囲 | 一式と書いてある | 機能ごとに分かれている |
| 除外 | 書かれていない | 含まないものが明記されている |
| 保守 | 別途と書いてある | 対応範囲と窓口が書いてある |
| 変更 | 都度相談 | 変更のときの進め方が決まっている |
| データ | 触れていない | 出力できる形式が書いてある |
いくつ埋まっていれば相談できるか
8つのうち、いくつ答えられそうですか?
- だいたい埋まっている そのまま見積りへ 範囲が定まっているので、金額と期間をお出しできます。
- ほとんど埋まらない 要件整理からご一緒に 01と02だけ分かれば始められます。残りは一緒に決めていきます。
持ち帰っていただきたい3つ
- 比べるなら、8つの前提をそろえてから前提が違う見積りは、金額だけ見ても比較になりません。同じ条件を各社に文面で渡してください。
- 総額ではなく「含まれていないもの」を見る一式と書かれた見積りは、後から差額が出ます。除外・保守・変更の3つは必ず書面で確認してください。
- 04・07・08は、契約前に文字にしておくこの3つは後から条件を変えられません。口頭合意で進めないことをおすすめします。